高校時代はレディースとして荒れた日々を送っていた田上湖音波は、親友を事故で失ったことを機に、「命とどう向き合うか」を考え抜き、猛勉強の末に脳神経外科医となる。外科手術と血管内治療の両方をこなす実力を身につけた湖音波は、患者の人生そのものに寄り添う治療を信条としている。
しかし、彼女を待ち受けていたのは、患者よりも利益を重視し、上司の許可と書類に縛られた縦割りの医療現場。理不尽なルールや忖度だらけの組織に違和感を抱きながらも、湖音波はヤンキー時代に培った根性と正義感で、真正面から問題に立ち向かっていく。
冷静沈着な医師・中田啓介との対比や、医師として、人として悩み成長する湖音波の姿を通して、理想と現実の狭間で揺れる医療の本質を描く。痛快さとリアリティが共存する、新感覚の医療エンターテインメント。
朝比聖子は、突然失踪した夫を探しながら、二人の子どもと義母を支え、「あさひおでん」を切り盛りして生きていた。やがて警察から「夫は事故死した」と告げられ、遺体の特徴から夫だと認め、保険金も受け取る。しかし一年後、亡くなったはずの夫が目の前に現れる。
確認した遺体は誰だったのか。夫はなぜ姿を消していたのか。そして受け取ってしまった保険金は、家族に何をもたらすのか。真実を知るほど、聖子は嘘と罪の連鎖に巻き込まれていく。子どもを守るための選択が、家族の日常を少しずつむしばんでいく姿を描いた、緊張感あふれるヒューマンサスペンス。
警視庁広報課2係は、事件捜査とメディア、世論をつなぐ最前線に立つ部署。捜査一課を志していた刑事・今泉麟太郎は、ある理由から広報課へ異動となり、事件を「追う側」から「伝える側」へ立場を変えることになる。
記者会見、情報管理、報道協定、時にはリークを駆使しながら、事件解決と組織防衛の両立を迫られる日々。上司の安藤直司や広報課の仲間たちとともに、警察組織の論理、メディアの正義、世論の暴走に翻弄されながら、真実とは何かを問い続ける。
捜査の裏側で静かに戦う広報課の姿を描いた、リアリティ重視の社会派サスペンス。
かつて映画研究部で夢中になっていた吉井雄太、藤巻肇、菊原紀介。51歳になった今、3人はそれぞれ仕事や家庭、人生そのものに行き詰まりを感じていた。
そんな中、故郷で発見された人骨をきっかけに再会し、少年時代に憧れていた顧問教師の記憶が欠けていることに気づく。写真と「行方不明」という文字が示す過去の出来事を追ううち、彼らは忘れていた感情や挫折、夢と再び向き合うことになる。
失踪事件の謎を軸に、現在と1988年の記憶が交錯し、笑いと切なさを交えながら進む物語は、大人になった今だからこそ突き刺さる「青春の回収」を描くヒューマンコメディである。
物語の舞台は、保険金が絡む事件や事故の裏側を調査する保険調査会社。主人公・天音蓮は、真実を暴くためならルールも倫理も厭わない異端の調査員だ。
誘拐、事故、詐欺など、保険を巡る案件の背後には、嘘、欲望、恐怖、そして人生を賭けた選択が潜んでいる。天音は張り込み、変装、心理戦などあらゆる手段を使い、表に出ない真実を掘り起こしていくが、その過程で冤罪や弱者の苦しみにも向き合うことになる。
本作は、金で価値を測る保険制度の光と影を通して、人間の業や再生を描く、スリルとカタルシスに満ちたエンターテインメントドラマである。
定職も恋人もなく、夢を追いながら迷走する汐川未来。将来に不安を抱えたある夜、雷とともに現れたのは「ママ」と呼ぶ少年・颯太だった。彼は2036年の未来から来た、未来の息子だという。
颯太の目的は、未来と父親である「まーくん」を仲直りさせること。半信半疑のまま始まった奇妙な同居生活は、未来の止まっていた時間を少しずつ動かしていく。
突然母となった未来は、子育てを通して誰かと生きることの重みや、支え合うことの意味に向き合っていく。同時に、複数の「まーくん候補」との再会や出会いが、恋と人生の選択を突きつける。
颯太は誰の息子なのか、未来はどんな未来を選ぶのか。親子愛と恋が交差する、時を超えたラブストーリー。
音楽業界から追放され、夢を諦めかけていた元プロデューサー・吾妻。彼は、実力も実績もないボーイズグループNAZEと出会い、再び音楽と向き合うことになる。
K-POPという華やかで過酷な世界を舞台に、失敗や挫折を重ねながらも、仲間を信じ、限界に挑み続ける若者たちの姿を描く。吾妻自身もまた、NAZEと共に壁を越える中で、夢を追う意味や人と向き合う覚悟を取り戻していく。
勝ち負けだけでは測れない成長、支え合う関係、泥臭い努力が生む奇跡。世代や国境を越えて共感を呼ぶ、熱量の高い青春群像劇。
穏やかな日常を送っていたパティシエ・早瀬陸は、失踪していた妻の死をきっかけに、身に覚えのない妻殺しの罪を着せられる。逃げ場を失った早瀬は、自らの無実を証明し、真犯人に辿り着くため、裏社会とも繋がる悪徳刑事・儀堂歩の顔と立場を奪い、「別人」として生き直す決断を下す。
一方で、早瀬に手を貸す謎の公認会計士・幸後一香の存在が、物語にさらなる不確かさをもたらす。味方か敵かも分からないまま、嘘と真実が複雑に絡み合い、誰もが何かを隠している世界で、早瀬は家族を守るために真実を追い続ける。
顔を変え、立場を変え、それでも失われない「愛」を軸に描かれる、運命に抗うダークヒーローの物語。
物語の中心にいるのは、恋愛に慎重になりすぎてしまった小説家・文菜。人を好きになることで、いつか必ず訪れる別れや喪失を恐れ、誰かと「深くつながる」ことから無意識に距離を取って生きている。
文菜は今の恋人と真剣に向き合おうとする中で、過去の恋愛や別れ、言葉にできなかった感情を一つひとつ思い返していく。このドラマが描くのは、劇的な事件ではなく、人と人の間に生まれる微妙な距離感や、「好き」と言葉にすることへのためらいだ。想いを伝えれば関係が壊れてしまうかもしれない、でも伝えなければ何も始まらない。そんな矛盾した感情の中で揺れ動く文菜の姿を通して、「大切な人とは、どんな距離でいるのが幸せなのか」を静かに問いかけてくる。
恋愛が苦しくなってしまった人や、「好き」という感情がよく分からなくなった人に寄り添う、会話と余白を大切にしたラブストーリー。
夢を失い、仕事も恋も中途半端な日々を送る雑誌編集者・柴田一葉。ある日、恋愛コラムの企画を任された彼女は、「恋の専門家」として准教授・椎堂司を訪ねる。しかし椎堂の研究対象は人間ではなく、動物の求愛行動だった。
パンダをはじめとする動物たちは、本能に従い、限られたチャンスを確実につかむ「恋愛上級者」。一方、人間は情報や常識に縛られ、不器用に悩み続けている。一葉は椎堂の語る動物たちの恋の戦略に触れながら、仕事や恋、人間関係の答えが意外なほどシンプルであることに気づいていく。
人間嫌いの動物学者と、人生に迷う編集者。正反対の二人が出会い、動物の世界を通して「自分らしく生きること」を学んでいく、笑って少し考えさせられるアカデミック・ラブコメディ。
舞台は拘置所。女区区長として規律と正義を貫いてきた女刑務官・冬木こずえは、強盗殺人容疑で収容された未決拘禁者・日下怜治と出会い、静かに、しかし確実に人生を狂わせていく。怜治は反社会的で危険な存在であると同時に、こずえ自身が封じ込めてきた「秘密」と深く結びつく人物だった。
一方、怜治の事件を担当する刑事・佐伯雄介は、こずえの過去を知る立場にあり、二人の関係に疑念を抱き始める。拘置所という閉ざされた空間で、正義・職務・感情が複雑に絡み合い、三人の選択は次第に取り返しのつかない方向へ進んでいく。
なぜ、真面目に生きてきた女刑務官は道を踏み外したのか。これは善悪や常識では割り切れない、人間の衝動と弱さを真正面から描く、禁断の心理ドラマである。
刑事・飛奈淳一は、故郷で起きた殺人事件の捜査を担当する中、23年ぶりに初恋の相手・岩本万季子と再会する。しかし彼女は、その事件の容疑者だった。
物語は、淳一が小学6年生の頃、万季子を含む仲間4人である事件に使われた拳銃を学校の桜の木の下に埋めた過去から始まる。誰にも言えない秘密を共有したまま時は流れ、彼らは別々の人生を歩んできた。
だが現在の殺人事件で使われた凶器が、その拳銃だと判明し、淳一は刑事としての使命と、万季子への想い、そして過去の罪の狭間で激しく揺れ動く。
いったい誰が拳銃を掘り起こしたのか。犯人は誰なのか。再会をきっかけに、隠されてきた真実と人間の弱さが静かに、しかし確実に暴かれていくヒューマンラブミステリー。
東京国税局・資料調査課《コメ》の中に誕生した特殊部署《ザッコク》。その創設者であり責任者の米田正子は、ズルく巧妙な脱税者を決して見逃さない敏腕調査官だ。
《ザッコク》に集められたのは、能力は一流だが出世や組織論理に興味のない「変わり者」たち。悪徳セミナーで高齢者を食い物にする人物や、権力を盾に脱税を隠す政治家など、他部署が手を出せない厄介な案件に、独自の視点と圧倒的な調査力で切り込んでいく。
「正しく集めて、正しく使う」という正子の信念のもと、嘘と金の裏側を暴き、脱税の上に成り立つ幸せを許さない。社会の歪みを突きつつも、勧善懲悪でスカッとさせる痛快ドラマ。
仕事に没頭する堅実女子・菜帆は、ある日、公園で無愛想なイケメン・晴流と衝突し、高価な服を汚してしまう。弁償できない菜帆に対し、晴流が提示した条件は「手作り弁当30回」。こうして始まったのは、昼休みの50分間だけ会う奇妙な関係だった。
AIだけを親友とするズレた感性の晴流に振り回されながらも、菜帆は彼の不器用な優しさに次第に心を動かされていく。しかし、晴流の正体は菜帆の勤める会社の“宿敵”となるライバル企業の重要人物。元夫婦の社長同士の因縁も絡み、二人の関係が露見すれば即クビという絶体絶命の状況に追い込まれる。
秘密を抱えたまま距離を縮める二人の恋は、ズレとときめきが交錯するスリル満点の展開へ。弁当を通して育まれる感情と、禁断の関係が生む緊張感を描いたラブコメディ。