NTV Saturday 21:00  『放課後カルテ』 全10話 

この作品は、小児科医の牧野（松下洸平）が、東多摩第八小学校に「学校医」として赴任するところから始まります。牧野は、大学病院から派遣された医師で、子供たちに「保健室にはなるべく来ないでもらいたい」と告げるなど、従来の学校医のイメージとは異なる言動で周囲を戸惑わせます。彼の言動の背景には、過去の医療現場での経験が影響しているようです。

展開の中心となるのは、牧野と、6年2組の担任である篠谷（森川葵）、そして様々な事情を抱えた子供たちとの交流です。例えば、授業中に居眠りをしてしまうゆき、裏山で体調を崩してしまう拓真、保健室にまつわる噂を流す啓など、子供たちはそれぞれに悩みを抱えています。牧野は、子供たちの発する微かなサインに気づき、時には彼らと衝突しながらも、真摯に向き合い、彼らの抱える問題の解決に奔走します。

また、子供たちだけでなく、篠谷をはじめとする教師たちも、子供たちのことで悩んでいます。牧野は教師たちとも関わりを持ち、彼らのサポートを通して、学校という現場で医師として何ができるのかを模索していきます。子供たちの成長を見守る中で、牧野自身も医師として、そして一人の人間として変化していく様子が描かれます。

時間経過とともに、牧野が学校医として働くことになった理由や、過去の患者との関係、子供たちが抱える問題の背景などが徐々に明らかになっていきます。子供たちの病気や怪我といった身体的な問題だけでなく、心のケアにも重点を置き、子供たちと向き合う牧野の姿を通して、命の大切さや人と人との繋がりといったテーマを描いた作品と言えるでしょう。